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「運命も輪」ですか・・・・切ないなぁ。
逆位置の運命の輪ですか。現実になるとかなり厳しいですね。えるは決めているみたいですが、ほうたるは…
タロットの運命の輪は最近僕も良く調べていました。
>>173
そうですね。僕の場合は田圃の事やら、結納の事やら、変なところに詳しくなっています。(爆) 僕はネットだけで調べているので、限界はありますね。
なにこれ絶望まっしぐら
そこも含めてのえるたそだが。
二人はどうなるんだ・・
どうか今度こそは、二人を幸せにしてあげてくれよ・・・
pixivで楽しみに見てたけど、大学生編とかはないん?
>>209
申し訳ないのですが、僕にそんな才能はありません。高校卒業で終わります。終わらせられるといいなあ。もう限界なので。
気軽な読み手に早く戻りたい今日この頃。
勿論、それはえるたそ自身も感じていると思います。
ですが、心のどこかで期待しているのかもしれませんね。
文章では表し切れていない、登場人物の心境等も考えて頂ければ私は幸せです……
>>210
いえいえ!
むしろ氷菓SS雑談スレになってもいいくらいの(ry
次回投下ですが、月曜日になるかもしれないです。
時間が空けば土曜日or日曜日に投下できますが……現在の所、月曜濃厚です。
本人の変わりたい、変えたいという気持ちが未来を切り開く。それがタロットの意義。
奉太郎はもう以前のままじゃあない。
つまり・・・みんな、まだ諦めるなよ!
なんとラジオ収録に米澤先生がブースにいて、収録中に佐藤さんと阪口さんが、聞いてたww
ぜひえるたそのも・・・
第28話、投下致します。
里志「とは言っても、十月も終わりさ」
里志「もう十一月みたいな物だよ」
奉太郎「まあそうだが……」
里志「それで、実際の所どうなんだい?」
奉太郎「どうって、何がだ」
今、俺と里志は北海道のとある旅館の一室に居た。
二泊三日の修学旅行、何もこんな寒い所まで来なくても良いと思うのだが……
むしろ、夏にして欲しかった。
里志は窓際に腰を掛け、続ける。
里志「僕の予想が正しければね」
里志「奉太郎と千反田さんは……」
奉太郎「付き合っている、って所か?」
里志「はは、分かっているじゃないか」
里志「それで、どうなんだい?」
奉太郎「……否定する理由も無いな、お前の予想通りだ」
里志「そうかい」
そう言った里志の顔は、どこか悲しそうな……そんな顔だった。
里志「言う必要が無かったから?」
奉太郎「そういう訳でも無い、と思う」
里志「なら、そこまで言う理由が無いから?」
奉太郎「そういう事でも無い……なんだろう」
奉太郎「なんとなく、言い辛かったのかもな」
里志「ホータロー、それを隠していたって言うんだよ」
里志「それに気付いて居ない所が、ホータローらしいや」
奉太郎「……そうか」
里志「ま、僕は良いと思うよ」
里志「それに行動的だしね、実にお似合いじゃないか」
奉太郎「お前、遠まわしに俺を馬鹿にしているだろ」
里志「はは、やっぱりそう思う?」
奉太郎「まあ、お前の言う通りかもしれない……一点を除いて」
里志「つまり?」
奉太郎「俺は面倒臭がりだし、頭も良いって程でも無い」
里志「確かに」
奉太郎「里志、お前よりは良いけどな」
里志「否定出来ないのが辛いね」
奉太郎「それで、さっきお前はこう言ったよな」
奉太郎「俺と千反田はお似合いだと」
奉太郎「もっと広い視野で見ると、違うんじゃないかと思う」
里志「広い視野で?」
奉太郎「……千反田は、詰る所……お嬢様だろ」
奉太郎「俺は何でもない普通の奴だ」
奉太郎「それを考えても、お似合いだと言えるか?」
里志「ホータロー」
里志「それは、違うんじゃないかな」
奉太郎「どう違うんだ」
里志「周りから見てどうかなんて、関係ないよ」
里志「千反田さんは、ホータローの事が好きだから一緒に居るんだ」
里志「今ホータローが思っている事、それは千反田さんを裏切る事になるんじゃないかな」
里志「それにね」
里志「少なくとも、千反田さんはそんな事……考えていないと思うよ」
俺が里志にそう言うと、困ったように笑いながら返答した。
里志「話の続きは今度にしようか、そろそろ行かないと」
そう言いながら、里志は部屋に掛けられている時計を指差す。
奉太郎「もうか、まだ着いて少ししか経ってないぞ……」
里志「文句を言うなら僕じゃなく、先生方に」
奉太郎「へいへい」
里志「……ホータロー」
部屋を出ようとした俺の背中に向かって、里志が声を掛けて来る。
奉太郎「まだ何かあるのか」
里志「時間が取れる時で構わないんだけど」
奉太郎「歩きながらとかでも良いだろ、あいつらと合流した後だって」
俺が言うあいつらとは、伊原と千反田の事である。
高校生活を送るにつれ、古典部のメンバーと行動を共にする事は大分多くなった。
そのせいか、修学旅行での行動も一緒にする事となっていた。
里志「できれば落ち着いて話せる所が良いかな」
奉太郎「そうか、なら夜だな」
里志「うん、分かった」
里志「じゃあそろそろ行こうか、怒られて無駄な時間は過ごしたく無いし」
奉太郎「ああ、そうだな」
その後は班毎に分かれ、明日からの計画の確認、と言った所だ。
奉太郎「何で冬も近いのに北海道なんだろうな」
里志「冬だからこそって考えようよ」
摩耶花「でも、夏の北海道より冬の北海道って方がそれっぽいよね」
それっぽいとは何だ、具体的に説明して欲しい。
える「夏も良いんですよ」
える「自然が豊富な地域なので、冬とはまた違った感じで楽しめます」
える「ひまわり畑やラベンダー畑も有名ですね」
摩耶花「あ、それテレビで見たことあるかも」
奉太郎「なら、やはり夏で良かったな」
里志「って言っても、冬も中々に良いと思うけどね」
える「そうですね」
える「冬はお祭や、イベント等が沢山ありますね」
摩耶花「でも、雪祭りって二月じゃない?」
里志「まあ、そうなんだけどね」
奉太郎「なら、何度も言うが夏で良かったな」
里志「この時期に来ちゃったんだから仕方ないさ、何も無いって訳じゃないんだし」
える「そうですよ! 折角の修学旅行ですよ!」
奉太郎「あ、ああ」
える「一緒に楽しみましょう、折木さん!」
奉太郎「わ、分かった、分かったらちょっと離れよう」
里志が嫌な笑い方をしていた、ほっとけ。
里志「どうしよっか、そろそろ部屋に戻る?」
摩耶花「そうね、話す事も無さそうだし……」
える「分かりました、では一度戻りましょうか」
全部終わった頃には20時くらいで、部屋の窓から見えるのは街の小さな光だけだ。
奉太郎「それで、昼間言っていた話って言うのは?」
里志「覚えていたのかい、珍しいね」
奉太郎「あんな風に言われたら、嫌でも覚えてるさ」
里志「それもそうだね」
奉太郎「で、何だ」
里志「これは多分……多分と言うか、言っちゃ駄目な事なんだけどさ」
奉太郎「なら別に、言わなくてもいいぞ」
何だろうか、里志がこんな前置きするのは滅多に無い事だ。
里志「……話の内容は千反田さんの事だけど、それでもかい?」
奉太郎「だから何だ、言いたくないなら言わなくて良いって言っている」
里志「回りくどい前置きをして悪かったね、僕も悩んでいたんだ」
奉太郎「……構わない」
里志「じゃあ、本題に入るけど」
里志の顔が、珍しく真面目な物へと変わる。
それと同時に、空気が変わるのも感じた。
里志「千反田さんが居なくなったら、ホータローはどうする?」
奉太郎「千反田が居なくなったら? どういう事だ」
里志「考えた事はあったのかなって、思っただけだよ」
奉太郎「無いな」
里志「……そうかい」
奉太郎「……急にどうしたんだ」
里志「ホータローが昼間言っていたじゃないか」
里志「俺と千反田はお似合いなのか、って」
里志「でも、もし千反田さんが居なくなるとしたら……君はまた同じ事を言うのかなって思ったんだよ」
奉太郎「俺は……」
そんなのは嫌だと、はっきりとした気持ちが湧いて来るのは分かった。
だがそれでも、やはり考えてしまう。
以前、千反田に距離感について話したことがあった。
あいつは恐らく、もうそんなのは感じていないと思う。
しかし俺は、俺はどうなのだろうか。
付き合う事で、そんな物は無くなると思っていた。
だが、ふとした事でそれを思い知らされる。
日常のちょっとした動作から、家の事。
これは多分、他人に聞く事ではないのだろう。
ならば自分で考えるしか、無いか。
里志「もし千反田さんが、居なくなるとしたら……君はどうするんだい?」
俺は。
奉太郎「……諦めない」
里志「それを聞けて安心したよ、ホータロー」
里志「話したら喉が渇いたね」
里志「飲み物買ってくるけど、何か飲むかい?」
奉太郎「……なら、コーヒーで」
里志「了解」
奉太郎「一つ、聞いていいか」
里志「何かな」
奉太郎「さっきお前が言っていた、千反田が居なくなるって言うのだが」
奉太郎「……あれは、冗談か?」
里志「……」
その問いに、里志は答えなかった。
第28話
おわり
乙ありがとうございました。
とうとう始まりましたか。逆位置の運命の環が。
それにしても秋、と言うか初冬??の北海道って、寒そうですね。
ああ・・・怖いけど、先が見たい・・・。
前作は、最後はハッピーになると信じてたから衝撃が凄まじかったんだよな・・・
今回は・・・
奉太郎ぉお・・・
手を伸ばせば届くはず!
まさかとは思うが、えるが街を出るのは許嫁のところへの嫁ぎフラグじゃないだろうな……?
不安でたまらんw
第29話、投下致します。
肌を突き刺す様な寒さの中で、一緒に。
奉太郎「去年の暮れも、雪が降っていたな」
える「ええ、そうでしたね」
奉太郎「もうすぐ一年経つのか、早い物だ」
える「私も、同じ事を思っていました」
俺は小さく「そうか」と返事をし、手すりに積もった雪を払い、そこに腕を置く。
える「折木さんがその気になるまで、ご一緒します」
その言葉に俺は視線を千反田の方へと移す。
千反田はどうやら、雪玉を作っている様だ。
奉太郎「風邪を引いても知らんぞ」
える「心配いりませんよ」
える「その時は、折木さんに看病して頂くので」
奉太郎「さいで」
何故ここでこうしているかと言うと、要は千反田に呼び出されたからである。
そして、話は既に終わっている。
俺はてっきり、こいつはすぐに戻るかと思ったのだが……どうやら違っていた。
そう言い、俺のすぐ目の前に雪だるまを置いてくる。
今日は、ちょっと疲れたな。
奉太郎「なあ」
える「はい」
奉太郎「明日はやはり、積もりそうだな」
える「そうですね、一面の雪景色というのも……素敵かもしれません」
奉太郎「……だな」
そう言い、空を見上げる。
空には星が輝いていて、手が届きそうにも思えた。
顔にいくつかの雪が降りてきて、溶ける。
そうして俺は、今日の事を思い出していた。
いつもなら、いつものあいつの冗談なら、すぐに「冗談さ」と言う筈だ。
つまり、あいつの言っていた事は冗談では無いのだ。
なら、どういう事か?
簡単だ。
千反田は居なくなる、って事か。
それに俺ははっきりと嫌だと感じた。
ならどうする?
隠していたって事は……言いたくないって事でもある。
それならば問い詰めるのは得策とは思えない。
勿論、今すぐにでも……何故黙っていたのか聞き出したい。
しかし、里志が俺に話したのがそれではばれてしまう。
そうなるとは思えないが、下手をしたら里志と伊原の関係も変わってしまうかもし
れない。
俺一人の行動で、それだけ変えてしまうのは避けたかった。
ならばどうする?
待つ、しかなさそうか。
千反田が話してくれるのを。
俺は思考を一回止め、扉の方に足を向ける。
大方、扉を開けられずに里志が困っているのだろう。 面倒な奴だ。
奉太郎「両手が塞がっているなら、一回下に置けばいいだろう」
言いながら扉を開ける、しかし目の前に現れたのは里志ではなかった。
える「え、えっと」
噂をすればと言う奴だろうか。
奉太郎「すまん、里志と間違えた」
目の前に来たらどうなるか分からなかったが、俺は不思議と落ち着いた気分にな
れていた。
える「そうでしたか」
千反田はそう言うと、いつもの様に笑顔を俺に向ける。
俺も多分、いつも通りに話せていたと思う。
える「ええ、お話したい事があるので……お時間大丈夫ですか?」
恐らく、と言うか……ほぼ例の事だろう。
タイミングと言い、どこかで話を聞いていたのでは無いだろうか。
奉太郎「構わないが、里志に飲み物を頼んでいてな」
える「分かりました、なら30分後でも良いですか?」
奉太郎「ああ」
える「では、30分後に屋上でお待ちしてます」
そう言うと、足早に自分の部屋へと戻って行く。
できれば外より中の方が良かったんだが……寒いし。
別にいいか、今更追いかけるのもあれだ。
俺は少し着込んで行くことにし、部屋の中へと戻る。
言いながら布団に横たわる。
何故、こうも面倒な事が立て続けに起きるのだろう。
千反田の家柄のせいだろうか?
勿論、それは多少あるのかもしれないが。
だが、他の奴なら面倒な事……とは思わないかもしれない。
それは結局、俺が今まで面倒な事を避けてきたせいで、そう思えてしまうのだろう。
奉太郎「整理してみるか……」
何の特徴も無い天井を見ながら、ゆっくりと思考する。
まず、里志の言葉だ。
あいつが言うには、千反田は居なくなってしまうらしい。
らしいと言うのも変だが……そこには、里志の勘違いだったと言う俺の希望があるのだろう。
俺に言わない様にと、千反田か恐らく伊原辺りにでも言われている筈だ。
それらがあったから、あいつはわざと回りくどい言い方をしたのだ。
次に、千反田が居なくなるとして……俺はどうするのか。
正直に言うと、分からない。
何故居なくなるのかも分からないし、それは分かった所でどうにかなる問題なのだろうか。
里志は恐らく、それを知っていて……俺ならばどうにか出来るかも、と考えた可能性はある。
そして昼間の会話、確か千反田と俺の違いについてだ。
俺が話をして、それを聞いて里志は口止めされていた話をする気になったのだ。
ならば、家絡みの事だろう。
去年の事もあった、だからいきなり明日居なくなるって事は無い。
少なくとも千反田は、同じ事を2回繰り返し等しない。
ならばもう少し先、と言う事は。
それくらいしか、無さそうだった。
里志「おーい、聞いてるかい?」
奉太郎「うわ、いつから居たんだ」
突然里志の声が聞こえ、飛び起きる。
里志「酷いなぁ、少し前からだよ」
思いの他、考えすぎていた様だ。
奉太郎「悪いな、ちょっと考え事をしていた」
里志「無理もないさ、何故かは分からないけどね」
奉太郎「そうだな」
奉太郎「そういえば、何故かは分からないが……さっき千反田が来た」
里志「そうかい、何て?」
奉太郎「何やら話があるらしい」
奉太郎「行けば分かるさ、そろそろ約束の時間だ」
里志「先生が見回りに来たら、誤魔化しておくよ」
奉太郎「悪いな、それと」
奉太郎「コーヒー、ありがとな」
里志「いいさ、そのくらいお安い御用だ」
そのまま里志から貰ったコーヒーを手に、部屋の外へと足を向ける。
里志「ホータロー」
奉太郎「何だ」
里志「ごめんね、力になれなくて」
奉太郎「何の話だか分からんな」
奉太郎「それに、このコーヒーだけで十分だ」
奉太郎「何だ」
里志「120円だよ、それ」
奉太郎「……冗談か?」
里志「さあ、どうだろう」
そう言う里志は、いつもの顔だった。
俺はその言葉に軽く手を挙げ、外に出る。
全く、隙がない奴だな……
まあ、でも幾らか気持ちは楽になった、気がする。
しかし……未だに俺は結論を出せていなかった。
扉を開けると、一瞬で中へ引き返したくなるほどの寒さを感じる。
それに加え、空からはチラチラと雪が降りてきていた。
奉太郎「……寒い」
える「お待ちしてました」
扉のすぐ横で、千反田は待っていた。
雪に降られないように、僅かな雨よけがある場所で。
奉太郎「悪いな、寒かっただろ」
える「ここに呼んだのは私ですよ、折木さん」
奉太郎「そういえば、そうだったな」
える「先程、窓から雪が降っているのが見えたので……ここにしちゃいました」
奉太郎「なるほど」
える「流石に、いくら十月と言えども……寒いですけどね」
える「どうですか、北海道は」
これは、千反田の癖なのだろう。
何か言い辛い事がある時、こいつは話を切り出さない。
問い詰めても良かった。 用事は何だ、と。
だが俺はそうしなかった。
……聞きたく無かったのかも知れない。
える「折木さん?」
奉太郎「ああ、すまん」
奉太郎「北海道か、まあそれなりにはって感じだな」
える「ふふ、そうですか」
俺は手に持っていたコーヒーを一口、飲み込む。
える「あ、私も欲しいです」
奉太郎「予想通りだな、言うと思った」
奉太郎「ほら」
える「ありがとうございます」
そう言い、千反田は蓋を開けると紅茶を一口飲んだ。
える「美味しいですね」
奉太郎「寒いから、余計にそう思うのかもな」
える「ですが、折木さんが淹れてくれたお茶の方が美味しいです」
奉太郎「そりゃどうも」
二人で雪を眺めていた。
奉太郎「北海道だしな」
える「積もるかもしれないですね」
奉太郎「これだけ降っていればな」
える「寒いですね」
奉太郎「それは、さっき言ったな」
える「……そうでした」
話す事が無くなったのか、沈黙が訪れる。
このままで良かった。
こいつと二人……並んでいるだけで俺には十分だった。
だが、そうはならない。
える「ごめんなさい」
奉太郎「何故謝る」
える「私がお呼びしたのに、本題を切り出せなくて、です」
える「すいません、覚えていないと言うのは?」
奉太郎「千反田の準備が出来てからで良い、と俺は言った。 前にな」
奉太郎「だから、何時間でも待つ」
える「……はい」
千反田はもう一度、紅茶を飲むと大きく深呼吸をした。
える「分かりました、折木さん」
える「本題に、入りましょう」
第29話
おわり